今日から不良王子と同居します。
「どうしても、忘れられなくて。ずっと会いたいって思ってた」


「本当に?」


「うん」


「私も玲生くんが好き」


ずっとずっと言いたかった言葉が、ようやく口から滑り落ちた。


胸のつかえがとれたように心が軽くなっていく。


「え……」


彼は驚いたように目を見開き、そして花が咲いたように嬉しそうに笑う。


「やっと、言ってくれた」


「えっ」


「はじめは俺だけが、好きなんだと思ってた。だけど、音葉さんと離れてからもしかしてって思った。
それでも音葉さんは、周りの人のことを想って俺のことは拒絶するかもって」


「気が付いてたの?」


「音葉さんが倒れて看病した時になんとなくそう思って。
でももう会ってもらえないような気がしてて不安で、自信なんてなかったから」


そう言って彼は、恥ずかしそうに自分の右腕で顔を隠した。


耳がうっすらと赤くなっている。


「あ、じゃああれは夢じゃなかったんだ」


ばあやに尋ねてもはぐらかされたけど、玲生くんが看病してくれたのは夢じゃなくて現実。

< 360 / 373 >

この作品をシェア

pagetop