今日から不良王子と同居します。
どうやら私って見た目と中身にギャップがあるそうで。


今だって小さい子供みたいに雷が怖くてベッドにうずくまっていた。


雷の音に震えていたらスマホが鳴った。


父からの突然の電話で、私は天にも上る嬉しい気持ちになる。


2日ぶりの父の声を聞いたら少しホッとした。


「音葉(おとは)元気かい?」


「うん。お父様、まだ帰ってこれないの?」


「すまない、大事な仕事が終わらなくて今夜も帰れそうにないんだ」


「そうなの、お仕事だったら仕方がないよね」


数年前に私の母は他界してるので、こんな時、私には父だけが頼りだった。


私には兄弟もいないため父だけが唯一の家族。


父、大河内忠直(おおこうち ただなお)は先祖代々から受け継いだ化学メーカーの会社を経営している。


とても忙しい父は、ほとんど家へは帰ってこれない。


見た目も心も大きくて優しい父親で、一人娘の私のことを溺愛してくれている。

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