今日から不良王子と同居します。
私の今までの人生で経験したこともないような出来事が短時間のうちに次々に起こったのだから。


たくさんの男の人たちの遠慮のない視線。


激しい殴り合いの喧嘩。


思い出しただけでも怖くてたまらないよ。


ブルブルと震える身体をどうしていいかわからない。


「どうしたの?音葉、震えてるじゃん、それに顔色が真っ青だよ」


私の様子があんまりおかしかったからか明日香ちゃんは包み込むように優しく、抱きしめてきてくれた。


「もうっ、音葉がそんな顔してたら私まで泣きたくなってくるじゃん」


そう言った明日香ちゃんは本当に、瞳に涙を浮かべている。


その顔を見たらハッとしてあたりを見まわしてそれから安心したようにフーッと息を吐いた。


良かった。


ここはもうあの場所じゃない。


助かったんだから。


私の通う私立城山台学園は全国でも有名なセレブの子息が通う高校。


私は幼稚園からこの学校だったから、外部の人とはほとんど関わらない生活を送っていた。


だから余計にカルチャーショックを受けてしまったのかも。

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