俺の宝物は、お前の笑顔。

「おはようございます。今日は、前から伝えていたように、席替えをやるので1番前の人からくじを引いていってください」



教卓の後ろに立った先生が、そう言った。


ちなみに、まだ高校生になってから1ヶ月しか経っていないのでこれが初めての席替え。



「ねえねえ、誰が高畑くんの席かな?」



「誰だろう?」



案の定、女の子たちは高畑くんの話をヒソヒソしながら目を輝かせている。


確かにイケメンだけど、別にあたし、顔はどうでもいい気がするんだけどね。


くじ引きでどんどん席が変わっていく。



「あーん、隣高畑くんじゃなかったよー!」



「あたしも違ったー!」



「うちも違う人だったよぉー!」



くじ引きを引いては、女の子達が嘆き出す。



「どう、誰と隣だった?」



「違った、高畑くんじゃない」



みんなをよそに、あたしも自分の席の隣の人を確認する。



「う、嘘ぉ!?」



あたしと隣になる相手は、高畑 健二だった。




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