シークレットガール
「第9章」
「ねえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど今、聞いていいかな?」
次の日、早速彼に聞いてみることにした。まあ、多分私の考えすぎだとは思うんだけど、万が一本当だったらこれから先、酷い目にあってからはもう遅い。
だからその前にハッキリさせておきたいのだ。彼が本当に私の味方か、それとも敵なのかを。
「ねえあんたなの? あんたが美波に話したの?」
彼は笑みを浮かべて、私を真っ直ぐ見ながら言った。
「さあ、どうだろうね。もし本当に俺ならどうするんだ?」
私も彼にそっと微笑んでみせた。少し間を置いてから私は口を開いた。多分何を言うか、彼もわかっているだろう。
「もちろん何らかの措置をするでしょうね。」
「そうだろうな。まあ、別に隠すようなこともないんだし、正直に言うと俺が教えたよ。もちろん全部ではないさ。ただお前が裏で何かコソコソやってるって言ってやっただけさ。まあ、人殺しとかって付け加えたけどな。」
つまり美波はその情報を持って、私に探りを入れたってことだったのか。
「でもなんであんなことしたの?」
「まあ、そうだな。藤林のやつがどう反応するのか、少し気になっただけさ。」
「もし通報なんてしたらどうするつもりだったの?」
「そりゃあ全部お前のせいにすればいいだけの話だろ?」
「最低!」
心の奥底から、そう思った。私たちは運命共同体。そうだと思ったのは私だけだったのかな。だとしたらちょっとショックかも。
「まあいいよ。もう全部終わったことだし、この話はやめよう。」
「そうだな。俺もその方がいいと思うぜ。」
とりあえず外に漏れたわけじゃなかった。それがわかっただけで良しとしますか。
でも美波は受けてくれるかな。私の提案は確かに、私の自分勝手すぎたかもだけど、でも美波も私と同じだといいな。
今は美波を信じるしかない。そうであってほしいと、願ってるしか、私はできないのだから。
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