シークレットガール
「第4章」
「ちょっと飽きてきたかも。」
私はそっと呟いた。なんかもっと強烈な刺激が欲しい。でもどうすれば良いのだろう。
私は昼休みになって星野くんをそっと呼び出した。彼は「何だよ。なんか用かよ。」と文句を言った。そんな彼に「もっと強烈な刺激が欲しい。どうすれば良いと思う?」と聞いた。
「ならこれはどうだ!」
彼はそう言いながらノートを取り出した。何の変哲も無いノートだった。
「これ、ノートだよね? これで一体何をするの?」
「強烈かどうかは知らんけど一度やってみたいことがあるんだ。お前と俺はそれぞれ一人ずつ殺したい人を選ぶんだ。そしてある方法で一人を選び、その人の選んだ人を殺すというのはどうだ! まあ、要するにギャンブル的な要素を加えるということだ。」
結構面白そうだな。一度やってみようかな。でも少し面倒だな。っていうか「ある方法」って具体的にはまだ決めてないのかな? 聞いてみるか。
「ある方法ってことはまだ決めてないってことだよね?」
「まあ、そうだな。今のところはまだ決めてない。お前、なんか良い方法ないか?」
「特にないよ。もうこうなったらくじ引きで決めよう。」
「俺も別に良いぜ。でも何でくじ引きなんだ?」
「特に理由はないよ。ただ楽そうだったから。あ、くじ作らなくちゃいけないのか。」
どうみても面倒臭いと言わんばかりの顔つきで彼を目を凝らした。
彼はどう見ても困っているようだったが、でもどうしてもやりたくなかったのでもっと踏ん張ってみることにした。
「私はやらないよ。面倒臭いし。私はただ検証をしたいのであってくじを作りたいわけではないからあとは任せるね。」
「おい! 何で俺が作らなくちゃならないんだ! お前がやれよ!」
「絶対嫌だよ! 何で私が作るのよ! まあ、良いわ。なら協力はしないってことで良い?」
私がそう言うと明らかに彼は慌てていた。よし、引っかかった! もうちょい押せばいけるかも!
「ねえ、あなたに言ってなかったことがあるんだけど別にあなたが通報しても私は別にいいんだよ? だって写真や動画があるわけでもないし、常識的に考えてあなたの話を信じてくれる人っていると思う? 本当はあなたがやったのにあなたが私に脅して罪を私に着せた。誰しもがそう思うんじゃないかな。だからやってくれるよね?」と言えばきっと彼は素直に従ってくれるのだろう。でも本当にそれでいいのか?
いや、良いわけがない。私はただ刀折れ矢尽きるだけなのではないか?
うん、やっぱり勿体無いな。ここは私が折れてあげるか。普通は逆かもしれないけどまあ、良いや。
「分かったよ。私がやるよ。」
「それが当たり前だろ。お前がやりたくてやってるんだしな。」
彼は満足げに頷いた。やっぱり折れるべきではなかったかなぁ。
でもまあ、私がくじを作るだけでバレる危険が少しでも低くなるならそんなに悪くないかも。
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