死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「未雨ってば、本当に知らないの?姫はね、総長の彼女みたいな感じ?暴走族の姫はね、その族のみんなが守ってくれるの。」
何それ…私が姫?!守られる?!
「絶対にそれ、私じゃない!!私は姫でもないし、姫になりたいとも思ってない…」
「そうなの?てっきり姫だと思っちゃった。だって璃羽都がねぇ〜」
と言って夏那は話を途中で切り、
「でも、守られたいとは思わないの?まぁ、私はそう思ってないけど、ほとんどの女の子は守られたい。なんて思うでしょ?」
「私は…守られるのは逆に困る…」
私は、守られたら…
「死ねないじゃない?私は死にたいの。一刻も…早く…ね?」
そんな私の話を聞いて夏那は固まっていた。
「だけどね、そんな事言ったらあいつはさ、"じゃあ俺が生きたいって思わせてやる"なんて言い出したの。だから、1年は死んじゃダメって約束。でも、その1年で私の考えが変わらなかったらその時は大人しく…ね?」
言い終わっても夏那は固まっていた。
「こんな話してごめんね?嫌だった?」
と聞くと夏那はすぐに口を開き、
「そんな簡単に死ぬって言わないでよ。実は私ね…」
「私は小学生の頃から…」
と夏那は話し始めた。
「私の家は金持ちなの。」
それはこの家を見たらすぐにわかったよ。
「だから、そのせいで両親は忙しくて、家にはあんまりいなかったし、金持ちだからって近づいてくる子も多かったの。」
「っ……」
でも、わかる気がする。