死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
「だから、私はずっと1人だった。心の中では誰かに甘えて、本当の友達を欲しがってた。物ならいくらでも欲しいものは貰えた…けど、お金で買えないものもあるの。」


「わかるよ…それ。お金じゃ買えないものはこの世にいっぱいある。」


「うん。だから、私はずっと悲しかった。そんな私が最初に心を開いたのは遥輝だったの。遥輝は他の子達と違って、普通に私に接してくれたし、遥輝と仲良くなってたから雷鬼の人たちとも仲良くなって、私の心に暖かいものが生まれたの。これが…」


「「お金じゃ買えないもの。」」


気づいたら私まで言っていた。


お金じゃ買えないもの。


「はもっちゃたね?」


「うん…」


「だからね、私は親より、この宝物をくれた遥輝の方が大切なの。こんなに大きな家を残したって、私の心の穴は埋まらないもの。」


「未雨も私の大切な人なの。だから、死ぬなんて言わないで?未雨は私のたった1人の親友なの」


親友…なんて初めて言われた。


「ありがと。」


この時私はひさしぶりに心から嬉しかったと思う。


こんな気持ちになったのはひさしぶりだな。


「大丈夫だよ。夏那を1人にはしないから。ね?」


と慰めるように夏那を抱きしめた。


私はいずれ死ぬけど、夏那を1人にさせる気はないから。


約束するよ。


「私ね、約束は破ったことないの。だからね、夏那を1人にはしないって約束するね。」


と夏那に笑顔を向けた。


「うん。約束!!」


と笑いあった後、浴衣の着付けをし始めた。
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