死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅰ
「璃羽都も早かったんじゃないか?」


「…ちょっと…な?」


と話していたら


「お待たせぇ〜」


と言いながら小走りする夏那と


「……」


未雨が来た。


未雨は相変わらず喋らないんだなww


とまぁ、5人で屋台の方へ向かう。


「璃羽都達は3人で楽しんでこい。俺らは2人で行っから。」


と夏那と遥輝は早速居なくなった。


まぁ、せっかくなんだし、2人きりにさせた方がいいよな?


あれから時間はたったが神社に来てから未雨は1度も喋らないまま。


なんて話せば…


なんて考えていると


「未雨ちゃんは何が食べたい?」


蒼弥が話題を出してきた。


やっぱり蒼弥は流石だな。


あいつは話し上手だ。あいつがいなけりゃ、今頃変な雰囲気だっただろうな…


それから少しずつ未雨も喋るようになり、


3人でご飯を食べ、色んなことをした。


「未雨ちゃん、それ美味しいだろ?」


と蒼弥が聞いた時


俺はてっきり"普通。"といつものように真顔で言うと思った。


けど、


「うん。美味しい…!!」


「っ……」


今の顔…


少しだったけど、あれは笑ったんだ。


あの未雨が…。


これは、一歩前進じゃないか?


「一歩前進だな。」


と蒼弥が言う。


こいつも俺と同じことを考えてたのか。


やっぱり祭りに連れてきて良かったのかもしれないな。


これで、少しでも未雨が生きたいって思ってくれればいいが…


俺はこの時思ったんだ。



未雨の心の底からの本当の笑顔がみたいと。

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