終わりから始まる恋
彼女はいつもより浮かれている気がした。

俺は店を指しながら
「あっ、ここだよ!有名なケーキ屋。」
「えっ?!知ってる!テレビで見た!一回行ってみたかったのよ!」

花守はキラキラした瞳で語っていた。

甘い物、好きなんだなあ。
そういえば、花守の好きな物も趣味とかも全く知らないんだな。
これから少しづつ知れればいいことだ。

定員さんがにっこり笑いながら
「いらっしゃいませ〜!お客様は2名様ですか?」
「は、はい。」
「こちらの席へどうぞ〜。」
と店案内をしてくれた。

2人は向かい合わせの席で互いにメニューを見ていた。

メニュー、一杯あるな〜、どれがいいか悩むな。

「花守は決まったか??」
「えっと…ミルフィーユもいいけどこっちのタルトも美味しそう〜。待って!まだ悩んでる!」
そう言いながらメニューを食い入る様に見ていた。

数分待ったが決まる感じがしないので
「まだ?」
「2つには絞れたんだけど…」
「どれ??」

花守はメニューを指差しながら
「ミルフィーユかこの3種のベリータルトと悩んでて…」
「じゃあ、俺がミルフィーユ頼むからお前はタルトを頼め。で、は、半分こすればいいだろ!」

これはカップルがよくする半分こ。
俺もする時が来るとはなあ〜。

花守は顔を少し赤くして頷いた。

その後、定員さんにメニューを頼んだ。
< 12 / 23 >

この作品をシェア

pagetop