終わりから始まる恋
あれから幾度も彼女が俺の名前を呼んだのあの日の事を思い出した。

ベットに横になりながら
あの日は楽しかった。手も繋げたし。
最後に名前を呼んでもらえた。
あれはちゃんと名前を呼んでた。
総悟って言ってたし。

俺は緩みきった顔をしてるに違いない。

ん?あれ?
俺、花守の事、下の名前で読んでないぞ!
付き合ってそれなりに立つのにこれはまずい。
今度会った時、俺もちゃんと呼ぼう。
すみれ…すみれ…すみれ…

脳の中で何度も練習をした。

自然に、スマートに。
さらっと言えば大丈夫だから。
いつの間にか俺の頭の中はあいつの事でいっぱいなんだ。
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