愛は惜しみなく与う⑦
『本当にあなたが居なくなると思ったら、怖くなった。お願いだから…』
あたし別に性格悪くないと思うねん。それなりに心も広いし、ちょっと短気なだけで…基本は大らかな性格してると思うねん。
でも、許せへん
嫌うなら、とことん嫌ってほしい。
だってあんなに嫌われてたんやから。あんなにあたしの存在を否定したんやから。
それならそれを貫いてくれへんかな。
やのに急に死ぬななんて…生きてほしいなんて…
言わんといて。
受け入れれるわけないやろ
自分の手を握る
思ったより自分の手が小さく感じる。
弱々しい手になったもんやな。
いや、あたしは元から弱かったか
馬鹿やな
これは夢や
だって母上がこんなこと言うはずないもん。あたしに生きてほしいなんて言うはずない。あの母上が…
ほんまやと思って感情的になってしまってた。
痛い
苦しい
どうしよう
怖いや
ここは何処やろ
帰る場所も分からへんけど、温かい場所に帰りたいよ
『杏様』
???