愛は惜しみなく与う⑦
怪我をしてる杏様にお構いなくヘッドロックをかけようとする美奈子を必死に止める。
また息が止まったらどうするんですか!!
「み、美奈子に殺される」
「殺しはしないわよ!寸止めよ!」
「ずっと寸止めされとってん!やめてや!」
はぁ。全く
いつになっても変わりませんね
「てかさ、関東はイケメンが多いん?烈火のみんなかっこいいやん!」
敦子は誰か紹介してやと杏様にせがむ。そして私はそれを、少し哀れな目で見ていた。
敦子も鈍いんですよね
「な、なんだよ!」
「別になんでもありません」
私と目があって明らかに噛み付いてくる昴。昴は薔薇の時代からずっと、敦子の事が好きです。
あの感じ、まだ気持ちは伝えてないみたいですがね。
目の前で好きな女の子が、イケメン紹介しろと言ってたら…私なら傷つきます。
でも昴は少し慣れていそうだ。
敦子は美奈子と同じように遊びまわってたんでね。昴も敦子が好きなくせに遊びまわってた。
みんな捻くれてますね
「紹介ってなに?会わせたらええの?上手く紹介できるかな。」