愛は惜しみなく与う⑦
「よしゃ!ほなハンバーグ食べるわ!ちょっと冷めたかな?いただきます」


美味しい美味しいハンバーグを口に入れる。

これぞ家庭の味。てか志木の味

優しさが染み渡る


「いやー志木に話したらスッキリしたわ。ありがとう!なんか元気にもなった」

「それはよかったです。少し話してスッキリする杏様は単純で可愛らしいですね」

「喧嘩売ってるやろ」

「フォークを人に向けない」

「自然と体が動くねん」

はぁ
と、ため息をいただき、あたしはそのままご飯を完食した。
食欲があってよかった。
これなら傷もすぐ治る気がする。


「杏様?」

「ん?」

「蘭様に会いますか?」

「…ん?」


口いっぱいにハンバーグを突っ込むのに必死で、なんでゆうたか聞こえなかった。

なんて?


「貴方のお母様に、会いますか?」


あたしのオカン?


「え?会わへんけど」


なにを言い出すのかと思った。会わへんよ。鈴のところには最後顔出して、それから関東に戻ろうとしてた。

まさか志木がそんな事を言うなんて思わんからさ。びっくりよ
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