愛は惜しみなく与う⑦
あぁ
すごく痩せてしまって…
見る影もないような顔つき

ごめんな


苦しませてごめんな



鈴はあたしを見て、視線を地面に逸らした


ええねん、なんでも
もうどう思われててもええ



「……鈴ッ」



顔に殴られた跡もある。ボロボロで傷だらけ。手首にリストカットの跡もある。
でも、


生きてる


細くなってしまった身体を抱きしめる


あたしが飛びついた勢いで鈴はフラつく。



「怖い思い、いっぱいさせてごめん。守ってあげれへんくてごめん」



謝っても遅いことはわかってる。でも心からそう思うから。

腕がダラーンと下に垂れていた鈴は、ソッとあたしの背中に腕を回した




「お姉ちゃん…」


よかった。まだあたしのこと、お姉ちゃんって呼んでくれるんやな。

鈴の肩に手を置いて顔をしっかり見る


泣いたのか、真っ赤な目の鈴はあたしを見て目をキョロキョロさせている。



「こんなお姉ちゃんでごめんな」

「………」


鈴は黙ったまま
でも、いいや。お姉ちゃんって呼んでくれたから。

鈴の手を握って引っ張る

何も言わずに鈴はついてくる
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