愛は惜しみなく与う⑦
え?なに?


あたしは壁に激突した顔面を痛くて押さえてうずくまる。

とりあえず

この状況はなに?


もう面会時間も過ぎてるで?
てゆうか、面会に来る意味よ

え?



「ま、まぼろし?」

「違います」

「ですよね」


想像以上に食い気味に、違うと母上が言う。

おかしくない?


「どうしてここに、居られるのですか?」


病院のパジャマきて、寝る前で髪の毛もボサボサで、、ましてやキックかまそうとしてしまった。

戸惑い過ぎてあたしは頭がまわらへん。

鼻が痛いことだけ分かってる!!!



「まだ、動けないんじゃなかったかしら」



母上は床に転がった松葉杖を拾いあたしに渡してきた。


キャパオーバー



「志木には全治2ヶ月って聞いたんだけど」

「えっと…あの、驚異的なスピードで回復して…あとは大腿骨の骨折部分のリハビリだけになりました」


じ、尋問?
なに?


「今の鼻は?」

「鼻?」

「訳の分からない技名を言いながら、壁にぶつかっていったでしょう」


……
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