冬の花
私はその名刺をテーブルに置くと、
コートのポケットからスマホを取り出した。
刑事に見張られている以上、また公衆電話から阿部さんに電話するわけには行かない。
だから、私は自分のスマホから阿部さんの携帯電話に電話を掛けた。
コール音が耳に届く。
いつか阿部さんに電話した時のように、
緊張で手が震える。
7回目のコールが鳴った所で、
阿部さんが、はい、と電話に出た。
「岡田あかりです」
『えっ』
そう驚く阿部さんが次の言葉を発する前に、
私は話し出した。
「鳴海さんから聞きました。
あなた私を犯人だと決めつけて私の周辺を嗅ぎ回っているって…。
今、鳴海さんからそれを聞いて、
あなたが鳴海さんに渡した名刺を見て、あなたに電話をしています」
私は、鳴海さんが持っていた阿部さんの名刺を見て、
初めて阿部さんに電話を掛けた。
後で誰にこの事を訊かれても、
そう答える。
もう二度と阿部さんとこうやって話せないかと思っていたけど、
鳴海千歳が阿部さんの連絡先が書かれた名刺を私に見せてくれたのは、
とても良い口実になってくれた。
コートのポケットからスマホを取り出した。
刑事に見張られている以上、また公衆電話から阿部さんに電話するわけには行かない。
だから、私は自分のスマホから阿部さんの携帯電話に電話を掛けた。
コール音が耳に届く。
いつか阿部さんに電話した時のように、
緊張で手が震える。
7回目のコールが鳴った所で、
阿部さんが、はい、と電話に出た。
「岡田あかりです」
『えっ』
そう驚く阿部さんが次の言葉を発する前に、
私は話し出した。
「鳴海さんから聞きました。
あなた私を犯人だと決めつけて私の周辺を嗅ぎ回っているって…。
今、鳴海さんからそれを聞いて、
あなたが鳴海さんに渡した名刺を見て、あなたに電話をしています」
私は、鳴海さんが持っていた阿部さんの名刺を見て、
初めて阿部さんに電話を掛けた。
後で誰にこの事を訊かれても、
そう答える。
もう二度と阿部さんとこうやって話せないかと思っていたけど、
鳴海千歳が阿部さんの連絡先が書かれた名刺を私に見せてくれたのは、
とても良い口実になってくれた。