結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています
 決して、1秒でも早く食べたいからとか、フォークでうまく食べられる自信がないとかじゃないから。パンなら手で食べるの普通だから!
「はい、いただきます」
 私がイチゴと生クリームのサンドイッチを手に取り、アルバートはカリカリチョコパンを手に取った。
 もぐ。
 うっ。
 なに、これ……。
 ケーキほど甘すぎないから……柔らかいパンだから……。スポンジケーキじゃないから……。
 生クリームとイチゴの甘さが引き立つわ!
 そうなのよ!イチゴのケーキは好きだけれど、スポンジが甘いと、口がその甘さになれちゃって、イチゴを入れたときに「酸っぱい!」って思っちゃうことが残念だと思うことがあったのよ!だから、スポンジ食べた後に、最後に残しておいたイチゴを食べる前に、お茶で口の中から一旦甘さを排除してからイチゴを食べるといいと、声を大にして勧めたいんだけど。
 最後までイチゴを残しておくと、ひょいっと横から手が伸びてイチゴを食べられることもあるから……ぐぬ。
 また思い出しちゃったわ。くぅー。ルイードめ!ルイードめ!許さないんだから!
「これはいいですね」
 アルバートがカリカリチョコパンを食べてニコリと笑った。
 うわー、満面の笑み。
 ふふ。ふふふ。子供に喜んでもらえて私も最高にうれしいです。まぁ、作ったのは料理長ですけどね。
「これなら、チョコレートほど甘すぎないし、小腹が空いたときにお腹も満たされる。粒のチョコレート1つよりボリュームもあるので、満足感が違いますね……それに、これならば携帯できますね。パンにジャムを塗ったものだとどうしてもジャムがあちこちにべたべたついてしまいますが、チョコなら溶けないように気をつければいい」
 おや?遠征?
 アルバートが料理長の顔を見た。
「柔らかいパンと違い、カリカリに焼いて水分を飛ばしたものでしたら、湿気に気をつければある程度の日数の保存もできます」
 おや?なんか、携帯できるだの保存ができるだの、どこかで聞いた話よね?
「リーリア様、ケールと一緒に売りこめそうですね」
 にこりとアルバートが笑った。
「す、……」
 言葉にならない。
「好き?」
 アルバートが私の「す」の先を想像して首をかしげる。
「いえ、違います、すごいですわ」
 なんてアイデアマンなのかしら!アルバート、流石すごいわ、うちの子(仮)天才。

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