結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています
 いつも真剣な顔で聞いてくれる。そして、時々目が合うと、とろけるような笑顔で微笑みかけてくれるのよ。
 ……アルバート、本当に素敵。我が子(予定)ながら、社交界ではきっとモテモテね。
 今までは子爵家の四男ということだったけれど、公爵家の養子ともなれば、地位もプラスされ……。
 たくさんのお嬢様たちに囲まれるのよね……。
 ……。
 ……。
 ……。あれ?
 なんか、ちょっとムカッとするんですけど。
 おかしいな。……えーっと、あ。
 そう。なんか息子を取られたみたいな気持ちになる母親もいるんですよね。
 ……。
 そうよ、そう。お父様が再婚するかもと聞かされた時もこんな感じだったような気がしますわ。
 私の大切なお父様が取られちゃうみたいな気持ちになって……。まぁ、お父様の時は幸いにしてただの噂だったのですが……。
 どうしよう。私、ちゃんと、アルバートのお嫁さんになる人と仲良くできるかしら?
 ……えっと、うーんと……貴族同士の結婚は、政略結婚が多いんですもの。
 ……す、少しは、私が「ああ、この子なら大切なアルバートを任せられそう」だと思う人を見繕っても許されるわよね?
 も、もちろんアルバートがどうしてもこの人と結婚したいといえば、問題の無い子であれば強く反対はするつもりはありませんが……。

「どうかなさったのですか?リーリア様。何か悩みでも?」
 アルバートの声にハッとする。
 まだ、正式に養子になると決まったわけではないアルバートのしかも、まだ見ぬアルバートのお嫁さんのことを想像してもやもやしていたとは言えない。今から結婚の話なんかされても、きっと、政略結婚のコマにされるのかといい気はしないだろう。
 でも、つい。
 気になってしまって……。
 そんなことを口にするわけにはいかないので、口ごもる。
「えーっと、悩みということではなくて……」
「何か領地に問題でも?……確かに、僕に相談しても何の力にもなれないかもしれないですけれど……」
 アルバートがちょっとだけ悲しそうな表情を見せる。
 ああ、アルバートは、領地のことを悩んでいると思ったのね?
 ううう、違うの。違うのよ。
 嫁姑問題について、今から悩んでるとか行ったら、引かれるよね!うぐぐぐ。
< 80 / 90 >

この作品をシェア

pagetop