Sweet break Ⅳ
こんなに時間がかかったのは、なんとか駅員に事情を話して、ホームに落としたUSBを探してもらったりしていたからだった。
『…それで見つかったの?』
『いえ…かなり無理を言って探してもらったんですけど、小さいものですし…多分、電車の車体がその上を通過してしまったんじゃないかと…』
うなだれる未来君に、かける次の言葉が出てこない。
きっと諦めきれず、何度も頭を下げて駅員に頼み込んでる姿は、容易に想像できた。
おそらく状況を鑑みれば、駅員が言ったように、落ちたUSBは通過した車両によって粉砕してしまったのかもしれない。
どちらにしても、明日の会議資料のデータが、すべて白紙に戻ってしまったことには違いなかった。
『未来君、データのバックアップは』
『すみません…それも、大事な会議資料なので、複数データを残しておくべきじゃないと思って、今朝USBに移した後は、パソコン内のデータもすべて消去してしまって…』
自身でデータの復元を試みようとしたものの、他の重要なデータが消去する可能性があり、断念。
その手の専門業者をいくつかあたってみたところ、今日中にデータの復元まで出来るところが見つからなかったとのこと。
出来る限りの方法を模索した上で、結局八方塞がりになり、一旦冷静になる為にも会社に出社したらしかった。
状況は何も変わらないけれど、本人が自暴自棄になるよりも、いくらも良い判断だ。
『本当に、申し訳ありません』
もう一度深く頭を下げる未来君。
『…それで見つかったの?』
『いえ…かなり無理を言って探してもらったんですけど、小さいものですし…多分、電車の車体がその上を通過してしまったんじゃないかと…』
うなだれる未来君に、かける次の言葉が出てこない。
きっと諦めきれず、何度も頭を下げて駅員に頼み込んでる姿は、容易に想像できた。
おそらく状況を鑑みれば、駅員が言ったように、落ちたUSBは通過した車両によって粉砕してしまったのかもしれない。
どちらにしても、明日の会議資料のデータが、すべて白紙に戻ってしまったことには違いなかった。
『未来君、データのバックアップは』
『すみません…それも、大事な会議資料なので、複数データを残しておくべきじゃないと思って、今朝USBに移した後は、パソコン内のデータもすべて消去してしまって…』
自身でデータの復元を試みようとしたものの、他の重要なデータが消去する可能性があり、断念。
その手の専門業者をいくつかあたってみたところ、今日中にデータの復元まで出来るところが見つからなかったとのこと。
出来る限りの方法を模索した上で、結局八方塞がりになり、一旦冷静になる為にも会社に出社したらしかった。
状況は何も変わらないけれど、本人が自暴自棄になるよりも、いくらも良い判断だ。
『本当に、申し訳ありません』
もう一度深く頭を下げる未来君。