ハルモニア~甘い運命 After Storys~




──修一さんのご家族に挨拶をした日の翌週から、3つの週末。

修一さんがいつの間にかピックアップしていた式場を、3つ見学に行くことになった。

本当に仕事が早い!
一緒に仕事をしてる時にも思ってたけど、毎度感心させられる。

でも、家ではずっと私を構い倒していたのに、いつ探したんだろ?

聞いてみると、ピックアップしたのは、今まで行ったお友達の結婚式の中で、私好みと思われる所だそう。

なぁるほど、知っている所でしたか!


そして、流石修一さん。
3つとも見事に私好みの会場で、かなり迷った。


修一さんの意見も…と言うと、蕩けるように微笑んで

「この3つの中であれば、どこでもいいから。
もし他のとこがよければ、また考えよう?

内容も、都のしたいようにすればいいから」

と、私を甘やかす。


甘やかしてくれている。わかってる。
でも─したいように、かぁ。
────難しいな。
私の人生の設計図に、つい最近まで『結婚』の二文字はなかったから。

ちょっと突き放されてるように感じてしまうのは、間違っていると知っている。
わかっているのだ。きっと、これが有名な『マリッジ・ブルー』。

ふるっ、と首を振って、修一さんにもうひとつの疑問を問う。

どうしてこの3つにしたんですか?と聞くと、私が気に入りそうで、とにかく早く結婚式を挙げられる所を探した、と、可愛いことを言う。

───ダメだ、思い出しただけで悶え死にそう。




とにかく、なんとかそのうちの一つを予約して。

結婚式まであまり時間がないから、今は怒濤の準備期間真っ只中なのだ。


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