ハルモニア~甘い運命 After Storys~
そんなこんなで、ご飯を食べ終え、デザートが来た。
ミニケーキの盛り合わせに、紅茶のポット。
紅茶をカップに注いで、目で色を楽しんで一口飲んだ時、前方から杏花さんの声がした。
「お義姉さん、結婚式の話は具体的に進んでるの?」
視線を向けると、綺麗な仕草でティーカップをソーサーに置いて、杏花さんが興味津々といった体で身を乗り出してきた。
大きな眸が、好奇心でキラキラしている。
照れて赤くなってしまった私は、誤魔化すようにカップを手に取った。
こくん、と、一口紅茶を飲んで、杏花さんの質問に答える。
「前の日曜日にね、一応、12月の第2土曜日で予約取ったの。
○○ホテル」
私と同じタイミングで紅茶を飲んでいた杏花さん、吹き出しそうになった紅茶を頑張って飲み込む。
ごほごほ、と咳き込んで、呼吸を整えて一言。
「はっや!!あと4ヶ月半くらいしかないじゃない。
流石修兄、段取りの鬼だね!
でも、よく予約取れたね」
私も苦笑する。
「当日、仏滅だから空いてたの」
「え?仏滅?
お義姉さん、そんな日で良かったの?」
杏花さんは、吃驚して聞いてきた。
対して、私はにっこり微笑んだ。
「修一さんが迷ってたから、私から提案したの。
『¨人生最良の日¨が¨仏滅¨なら、あとはいいことしか起こらない』って」
「うわぁ、ウルトラポジティブだね、その考え方」
でもお義姉さんらしいかぁ、と、杏花さんは納得の表情。