このご時世


チーズケーキを食べ終え、

コーヒーも残り3分の1ぐらいになった時、

喫煙者の僕は、煙草が吸いたくなったので、

先程はいなかった、まだ新人バイトであろう女性店員さんに喫煙所があるか聞いてみた。

可愛いらしい声で、
「あちらに…」とレジの隣にある、人が4人ぐらいしか入れないガラス張りの個室を指さした。

ありがとうございます、と席を立ち喫煙所に向かう。

禁煙になってきた世の中で、負けじと紙タバコを吸う僕も悪いのだが、それにしても狭いだろうと思いながら、喫煙所の扉を開ける。


案の定狭かった。


だが、座れるようになっていたので、軽く腰をかけ、煙草に火をつけた。

ジッポの閉める音が喫煙所に響き渡る。

長らく愛用しているジッポは、
付き合って最初の誕生日にキミにもらった物だ。


絶対にジッポ似合う!とニコニコしながらプレゼントしてくれて、使う度に、
「ほらやっぱり似合う!かっこいいね!」とよく言っていた。

この思い出の品も、どうにかしなきゃいけないのかと思うと少し切なくなった。
< 9 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop