片桐くんの愛は意外にも一途でした
「俺としてはえっちな勉強を教えてあげたいんだけど」


「結構です!」


「そんなに怒らないで?冗談だって」


「……」


どこまでが本気で、どこまでが冗談だったんだろうか。


「雨音をからかったらどんな反応するんだろうって思ったらつい、ね。でも、そこまで嫌がるとは思ってなかったから。もうやらないから大丈夫だよ」


優しい力で抱きしめられる。頭を撫でられて、まるで本当の彼女をなぐさめてるみたい。


少し不機嫌になってた私もいつの間にか片桐くんのペースに流されてしまって……。ちょっと悔しい。


「でもさ」


「?」


「プールではえっちな水着を見せてくれるんでしょ?俺、楽しみにしすぎて実は寝不足なんだ」


「っ……!ふ、普通の水着だから」


私はそう言い放って図書館のほうにそそくさと歩いていく。耳元で囁かれたのがあまりにも嬉しくなるような発言で耐えられなくなった。

顔を見られると赤面してるのがバレるからすかさず下を向いた。


「やっぱり……かわいい」


後ろで黒い笑顔を浮かべていたであろう片桐くんの姿は私には見えなかった。
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