片桐くんの愛は意外にも一途でした
「まるで運命だって思わない?席も隣だし。……きっと、卒業まで九条さんは俺を追い抜けないかもね」


「……」


運命なんて、死んでもごめんだ。


「私、必ず勝つから。卒業までに片桐くんを追い抜いてみせる!!」


ビシッ!と人差し指を片桐くんに向け、その場から颯爽と立ち去る私。


「……プッ、はははっ!」


「ねぇ、片桐くん。今日は私と遊んでくれるんでしょ??」


「ウチとも遊んでくれない?」


「ごめん。今日は気が乗らないから、やっぱりキャンセルで。でも、明日は大丈夫だから。それでいーい?」


「もちろん!」


* * *



「それで、雨音は捨て台詞を吐いて、逃げてきたわけだ」


「捨て台詞って、私をサブキャラみたいに言わないで。だって、あの場でずっと話してたら、私が片桐くんに気があるみたいに思われそうで……」


屋上。


私は中学時代から仲のいい男子、一瀬神楽(いちのせ かぐら)とお昼ごはんを食べていた。
< 9 / 66 >

この作品をシェア

pagetop