君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「でも、いっつも女の子を連れ込んでたような?」



笑いながら振り返るも、目の前に中野 神弥の姿はなく。


あれ?


中野 神弥、どこ行ったの?



「~~~っ、」


「………何やってんの、アンタ。」



居なくなったと思っていた中野 神弥は、何故か頭を抱えてしゃがみこんでいた。



「あれは!その、男の事情ってやつだよ…」



バッと顔を上げて勢いよく言った中野 神弥だけど、だんだんと声が小さくなっていった。



「男の事情?」


「そ。好きな女が無防備で目の前に居るのを耐えるのも一苦労なんだよ。」


「な…っ」


「花菜は気付いてないみてぇだけど、アンタすげぇ可愛い顔して笑うから。しかも胸デカいし。」



胸デカいは余計でしょ。



「いっつも抱きたい衝動に駆られてる。」

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