君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
あーまたやっちゃった。


ホント私って可愛くない。




「今日の晩飯、作って。」


「は?」


「アンタ探しに行ったから何も食べてねーんだよ。」




不貞腐れたように口を尖らせる。


何コレ。


何か可愛いんですけど。


カードキーを差し入れ、扉に手をかける中野 神弥は照れているよう。




「いいよ。特製卵焼きも焼いてあげる。」




笑いかけると、中野 神弥はそっぽを向く。


と――…




「何でアイツが入ってやがる。」




いつもより低い声で呻る。


中野 神弥の視線を辿ると、かなりカラフルなスニーカー。


どこかで見たような、見てないような…




「花菜。」


「ん?」


「俺が怒鳴っても気にすんな。」




…え。


怒鳴るって…


中野 神弥が怒鳴るような相手って誰だろう。
< 112 / 385 >

この作品をシェア

pagetop