君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
――――――――――…
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――「…い。」


「ん…」


「おい、起きろ。花菜。」




もう、誰よ。


私の安眠を邪魔するのは。




「早く起きねーと終点まで行っちまうぞ。」




ぎゅむっ。




「ふんがっ!」


「ふはは、不細工。」




鼻を摘ままれて呼吸がままならなくり、眠りから覚める。


そんな私を、腹を抱えて笑う中野 神弥。




「ちょっと!何つー起こし方すんのよ!」


「花菜が起きねーからだろ?…降りんぞ。」




憤怒している私の手を引いて、さっさとバスから降りる。




「…アンタ、意外に手ぇちっちゃいのな。」




中野 神弥の言葉に、手を握られていた事を認識し、思いっきし振りほどいた。


…顔が熱い。



「…何、照れてんの?」


「別に、照れてなんかないし!」
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