君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「マジで聞きたい?」
「うん」





間髪入れずに答えると、中野 神弥は頭を抱えながら俯いた。





「誰に聞いたんだよ。俺が歌ってたこと。」






私を見ないまま、ふぅ、と息を吐きながら問う。






「綾香が友達が言ってたって。」


「あー、マジかよ…。」





何でだろ。


中野 神弥、心底嫌そう。





「…そうだな。花菜がチューしてくれたら歌う。」


「はぁ!?」


「何?嫌なら歌わないだけだけど。」





くっ。


卑怯な!






「どうするんだよ?」






んー?と顔を覗き込む中野 神弥。


あれ?


何だか楽しそう?


さっきのシリアスな雰囲気はどこ行ったのよ。
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