君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
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「花菜!」



私を呼ぶ声に振り返ると、中等部独特の学ランが目に入る。



「姉ちゃんって呼べって言ってるでしょ、崇大。」


「うっせ。花菜は花菜だろ。」



3歳下の弟・崇大は、中学2年生になってから私を呼び捨てにするようになった。


去年までは「姉ちゃん!」って呼んでたくせに…



「何?用事があって来たんでしょ。」


「あぁ…花菜、英和辞書貸して。」


「はぁ?何で。」


「俺が忘れたからに決まってるだろ?」


「何だよ、それ!お前が忘れたからってなんで貸さねぇとなんねーの?!」


「花菜ちゃん…言葉が荒れてるよーぅ。」


「あ。」



つい崇大に対してヒートアップしてしまい、言葉が荒くなる。


綾香に言われて、口を紡ぐ。



「じゃ、辞書借りてくなー。」



崇大は辞書を持って颯爽と歩いてく。


悔しさにうち震えていると、笑い声が私の耳に届いた
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