君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「山崎!」



初めて話しかけられた日から、何故かよく私に絡んでくる。



「また来たねぇ、あの人。」

「うん。休み時間になる度だよ。」



さすがの綾香も呆れ顔。


周 拓海というヤツは、明るくて面白い。


いわゆるクラスの中心人物。


結構頼られているし、実際、頼まれたことは何でもすぐに解決させる。


…なかなか好印象。


だから、初めに馴れ馴れしくされたことも、気にならなくなってた。



「私、邪魔になるかもしれないから、もう行くね。」


そう言って綾香は去っていく。



「…あれ?従妹ちゃんは?」

「綾香は教室に戻ったよ。」

「そか。…あ、なぁ、山崎。」


「何。」


「放課後、図書室で学祭のこと、話し合おうぜ。」



そう言うと、笑顔で去っていく。


大人びて見える容姿とは真逆の子供みたいな笑みに、不覚にもキュンとした。
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