君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「ははっ…ひでぇなぁ。」



あの頃みたいな呼び方をして。


あの頃好きだった笑顔で笑って。


いったい…何を考えているの。



「なぁ、花菜。」


「や!近づかないで!」


「花菜…っ」











――一瞬、何が起こったのか分からなかった。


だけど次の瞬間には理解した。


"拓海にキスをされた"事実に。



「な、にすんのよ!!」



パアァン!!!!!



拓海の頬を打った凄まじい音が渡り廊下に響く。



「いってぇ…っ」


「…っ…最低!」



ヤバい…


涙が滲んできちゃった…


確か神弥が拓海は"プライドが高い"って言ってた気がする。


私…


プライドが高い人を怒らせて無事だった人、知らないよぅ…
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