君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「もしもアイツが留学先に戻るって言ったら、花菜はどうする?」



神弥は髪を拭き終わると上半身裸のまま、後ろから私を抱き締めて聞く。



「別に、どうもしないけど…」


「本当に?追いかけたりしない?」


「…何?まだ心配?」


「いや?アイツは不憫だなーって。」


「?」



拓海が不憫?


何で…?



「ま、今は何も考えなくていい。そのうちわかるから。」



言うと、頬にキスをする。

そしてそのまま――…



「ちょちょちょ、ちょっと待って!」


「なーんでっ。」


「いや、心の準備が!あんたは入ったかもしれないけど、私はお風呂も入ってないし!」


「そんなん準備しなくていーし。風呂は後で一緒に入ろ。」


「え?!一緒にお風呂!?いやいやいや!無理ー!」

「ダーメ。花菜に拒否権はなーし。」



可愛らしいハニカミ笑顔を浮かべた神弥――…



「いただきます。」



……一番厄介だ。
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