君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「ん…神弥…っ」



何、この声…


まるで…



「んふふ…っ、気持ちいいでしょ…?」



まるで……っ



「あれぇ…?花菜さんだ。んふふっ。ノゾキは犯罪ですよ。」



―――ドサッ……



どうして…っ?


神弥…?



「ぁ…」



胸が、苦しい。


喉がつっかえて言葉が出てこない。



「ねぇ、花菜さん。神弥が花菜さんが居ると嫌なんだって。だから…出てってよ。」


「!」



……怖い。


目の前にいるこの娘が恐ろしい。


そんなことに臆することなんてなかったのに、全身がガタガタと震える。



「ごめんなさい…っ!」



その場にいることに耐えられなくて…私は荷物を落としたまま、神弥の部屋を後にした。
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