君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
――「え?!どうしたの、花菜ちゃん!!」



気がつけば、いつの間にか実家にいて。


雄大さんたちが夫婦で旅行に行っているから、と遊びに来ていた綾香に名前を呼ばれていた。



「綾…香…?」



綾香を見た途端に、溢れ出す涙。


一度溢れてしまったものは、なかなか留まることをせず。


みっともなく…子どものように、泣き喚いた。



「花菜ちゃん…」



綾香に背中を擦られながら、想い描くのは神弥のこと。


ねぇ、神弥。


どうして…


どうして、ミカドちゃんとあんなこと…



「神弥の…馬鹿ァ…っ」











―――「【何で…んなにボロボロに泣いてんだよ、花菜。】」



突然の声に、見上げれば崇大の姿。


何故か崇大は、肩で息をしていた。
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