居酒屋ーーーキスをあげよう―――
菜月は今、山芋を摺ったり、焼いたりしている。焼き鳥もあり、軟骨や皮、牛タンもあり、居酒屋らしさがある。彼女は一緒に―――木全は一緒に、この焼き鳥達を、お客様に提供する。更に、ウーロン杯を頂くと言われ、直ぐに注文を受けた。彼女は此処の店でバイトを始めてから、一週間経つが、給料を貰っていいのか?―――そう思った。時給千円であり、彼女は吃驚してしまった。
『―――こ・・・こんなに・・・沢山・・・』
―――ほ・・・本当に、良いのかしら?
木全と陽介ははっきりと頷くと、『―――貴女は・・・此処で働いた方が良い・・・そう思っただけだから。ずっと此処にいて欲しいの・・・』と、優しく言った。菜月はふわりと笑うと、『―――ありがとう・・・ございます!!!』と御辞儀した。
木全は日本語がうまく、長年住んでいる為、日本になれているようだ。中国の人は、優しいのか?―――そう問い質そうとした。中国の人と触れ合うのは初めてで在り、彼女は彼女の後姿を見つめていた。泉直樹はどんな人か―――天然ボケな、男性なのかしら?―――って、失礼だわ―――。
彼女はいなくなった客の後始末をし、割烹着を纏いながら、テーブルを拭いた。

―――マグロの刺身・・・一つ―――

―――はーい―――

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