居酒屋ーーーキスをあげよう―――

第七章-――エピローグ―――

―――
―――あれから、数日が経った。あの日から、お葬式も終わり、彼等は何時ものように、居酒屋で働く事になった。居酒屋は余程の事が無い限り、休んではいけない。だから、彼女は接せと働いていた。忙しい方が、心も気分転換になり、落ち着いてくる。彼女は好きで在り、居酒屋での働きぶりは、一等賞であった。それは凄い事で、彼女は元気を取り戻した。自殺しては行けない事だ。
あの日から、菜月は母親の言っていた言葉を思い出した。
『―――ごめんね・・・私・・・事故になっちゃったの・・・それで・・・動けなくなっちゃったし・・・貴女と一緒に・・・いられない・・・ごめんね・・・さようなら―――』
こうして、息を引き取り、母親の事を思い出し、彼女はグッと口を噛むと、ギュッと拳を握った。

『―――お母様・・・育ててくださって・・・ありがとう―――』


―――遺言通り、此処の店で・・・働いてみせる。


応援ありがとう―――
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