独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 髪がひと筋すくい取られ、その髪に唇を寄せる。そして髪の毛に口づけたまま、上目遣いで聞かれる。

「恋人には、なってくれるんだよね?」

 艶っぽい眼差しと、『恋人』という夢見がちな単語に胸がキュンと甘酸っぱく鳴いて困る。

 コクコクと顔を上下に動かすと「赤べこみたいだ」と笑われる。

「赤べこって、あの赤い牛の伝統工芸品ですか?」

「うん。あの、なんとも言えない揺らぎが可愛いよね」

 チュッとリップ音をさせ、キスをする海斗さんの色気に当てられそうで、からかわれているのに反撃ができない。
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