独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「さあ。ビーチにも降りてみよう」
促され、先を進む。
近くで見る海はますます綺麗で、海に入るにはまだ涼しい季節を悔やむ。
「泳ぎたかったなあ」
つい本音をこぼすと、海斗さんも同調する。
「そうだね。見たかったよ。由莉奈ちゃんの水着姿」
「やっ。いやいや。見せられないですよ」
見せる予定はないのに、こんなたるんだ体は見せられないと焦る。海斗さんは、きっと逞しい体をしているだろう。
勝手に想像し、急に恥ずかしくなる。もう! どんな妄想を‼︎
「水着は無理でもせっかくだからシュノーケリングやらない? シーズンオフで、前日でも予約出来ると思うんだ」
「シュノーケリングなら、水着じゃないですか!」
しれっと水着にならざるを得ない状況になりそうで抵抗を見せると、笑われる。
「残念だけど、水着じゃ寒いからウェットスーツを借りるよ。それなら安心?」
完全に安心ではないけれど、少しは垣根が低くなる。それに海斗さんが海に入る姿も見てみたい。きっと素敵だ。