独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
和やかな雰囲気の中、早坂専務は必死に食い下がる。
「で、ですが、彼女は村岡物産を去った者。今後の両社の発展のためにも、村岡物産を支えられる女性の方がより良いのではありませんか?」
海斗さんに相応しくないと、言われる覚悟はしてきた。
それでも私は、海斗さんの傍にいたい。私のわがままだとしても、海斗さんと離れたくない。
腕に添えている手に、無意識に力を入れていたのかもしれない。その手の甲に、海斗さんの温かい手が重なる。それから早坂専務に向かい、真っ直ぐに言う。
「早坂専務は、私の選択眼を信じられないと言われるのですか?」
落ち着いた声ではあるものの、責める口振りで言われた早坂専務は、「とんでもない」と取り繕う。