独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「それから」と前置きをして、今度は元婚約者の方に視線を移す。
「重役に媚びへつらうことで評価されないように、不当な査定は徹底的に排除する」
彼は、不服そうに呟く。
「俺が気に食わないだけだろう?」
今は化けの皮が剥がれてしまったけれど、彼は真面目な好青年と評判だった。それをも海斗さんは暴いていく。
「個人的な旅行について、仕事中に調べていた。目に余るほどの長い時間」
この指摘に、口汚く反論する。
「ほぼほぼ接待じゃないか。接待なら仕事だ」
言い訳をする彼の隣で、早坂さんが声を上げる。
「接待って、待ってよ。旅行ってモルディブのこと? 最初から私と行く予定だったじゃない」
モルディブは私との新婚旅行だと言っていたのに、早坂さんと計画を立てていたのだ。そうやって、ずっと蔑まれていたのだと嫌というほどに知る。
海斗さんは、糾弾し続ける。
「だから先週行った彼女との食事も、領収書を提出した。仕事の一環だからね。きみにとっては」
「仕事」
愕然とする早坂さんは、初めの勢いはすっかりなくなり言葉を失った。