独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「由莉奈ちゃんをホテルに送り届けたら、俺はダイビングに行くよ。そしたら、申し訳ないと思う気持ちも半減するんじゃない?」
そんなところまで気遣ってくれて。
「ありがとうございます。明日も甘えてしまっていいんですか?」
「もちろん。俺は二泊三日の予定で、三日目の朝には石垣島を発つ。その間だけでも、一緒に回ろうよ」
「忙しいですね。でも旅慣れているから平気なのかな。私はのんびり四泊五日です」
私が滞在日数を告げると、あからさまに落胆しているみたいだ。
「そっかー。俺は、仕事を調整できるのがそこまでで。由莉奈ちゃんに出会えるって知っていたら、無理してでも休みを取ったのにな」
「もう。海斗さんは人を乗せるのが上手くて、騙されてしまいそうです」
シーズンオフだから、土日も関係なく宿も飛行機も空いていた。今日が土曜だから月曜だけ休んで石垣島かあ。アクティブだなあ。
「騙されて、ホテルの名前言っちゃいなよ」
茶目っ気たっぷりに言われ、苦笑する。