独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 言葉少なに、レンタカーに乗り込む。離れ難い気持ちを抱えながら、昨日と今日の旅を回顧する。

 こんなにも楽しめたのは海斗さんがいてくれたからに他ならない。

「夕食は決めている?」
 
「決めていません」

「せっかくだから、今日は夕食も付き合ってくれないかな?」

 まだ別れたくないと、海斗さんも少しは思ってくれているのかな。それが僅かでも感じられただけで嬉しい。

 私は満面の笑みで頷いていた。

 石垣牛を食べようと、レストランに向かう。お店の外には牛のシルエットが描かれた看板が立ち、洋風の煉瓦造りがお洒落な外観。

「昼に来たら、ハンバーガーがうまい」

 そこまで話して、私をマジマジと見つめる。
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