独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「本当は怖いんだろう。嫌だと思ったら、躊躇せず言わなきゃダメだからね」
震えている手を持ち上げられ、優しく手の甲にキスをされる。
「怖いけど、海斗さんとなら平気です」
「無自覚に殺し文句を言わないの」
叱るような口調で鼻をかじられ、それから唇に優しいキスを落とされる。柔らかな感触は、胸が高鳴って騒がしい。
「平気?」
コクコクと首を縦に動かすと、微笑まれる。
「マズイな。理性が削られて、紳士を保っていられるかな」
複雑な表情を浮かべ、もう一度唇が重なる。優しくて柔らかくて心地いい。
ドキドキと騒がしい鼓動は、時折キューッと締め付けるような、キュンと甘く鳴くような甘酸っぱさを伴っていく。
唇は何度も重ねられ、次第にお互いの吐息で濡れていく。唇で挟むように食まれ、力が抜ける。その食まれた唇を舐められ、声を漏らす。
「嫌?」
甘い声が耳をくすぐり、首をフルフルと横に振る。
「もう少し味わっていい?」
コクンと首肯すると、「可愛い」と軽い口付けを落とした後、唇の間から口の中を舐められる。思わずしがみついている手に力を入れると、髪に手を差し入れられ、背筋にゾクゾクとした痺れが走る。
唇を割って入った舌はゆるゆると口内を味わった後、再び触れるだけのキスに変わって離された。