独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

「ギブアップ? 俺はすごく気持ちよくて、由莉奈ちゃんに溺れそう」

 甘い囁きに、本音をこぼす。

「ゾクゾクして、体の奥が熱くて、その、私も気持ちいいです」

 最後はほとんど声になっていないけれど、確かに聞こえたようで「もっと気持ちいいことしようね」と妖しく誘われる。

「これ以上?」

 思わず聞き返すと、小さく笑われて「まだまだこれからだよ」と囁かれる。それから首すじに唇を這わされ、身動いで声を漏らす。
 
「可愛い。ずっと腕の中に閉じ込めておきたい」

 甘い囁きに返答は出来ず、肌に触れる熱い指先に翻弄される。

 たまに私の反応を伺うように「平気?」「大丈夫?」と聞かれ、堪らず首を横に振る。

「大丈夫じゃ、ないので、もう聞かないで」

 涙目の声に、優しかった眼差しに男の欲望のようなものが混じるのを感じた。

「わかった」

 唇を重ね、それから体に触れる。声を漏らししがみついても、もう止められることはない。過ぎる刺激に、身を捩り必死に官能を散らす。
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