独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 目が覚めると服を着ていて、夢でも見たのかなと一瞬混乱する。でも、体を起き上がらせたときに下腹部に気怠さを感じ、顔が熱くなる。

 やっぱり昨日……。

 海斗さんの姿はない。

 それはそうか。一夜の過ちの相手に……。

「起きた? 体はつらくない?」

 思わぬ声を聞き、肩を揺らす。するとククッと喉の奥で笑われる。

「そんなに驚くなよ。昨日は成り行きで、人生の汚点とでも思ってる?」

「そんなわけ!」

 体を浮かせると異変を感じ、身を固くする。ドロリとなにか生理のような、それでいて昨晩の艶かしさを思い起こす体を疼かせる、なにか。

「お手洗い、行ってきたら。体は綺麗にしたけれど、中までは無理だから」

 サラリと言われ、状況を把握できない。それに体を動かしたくとも、体は思うように動かない。

「ごめん。無理させたな。由莉奈ちゃんの中が良過ぎて、途中からいたわる余裕がなかった」

 朝の爽やかな日差しの中で話す内容ではない。それなのに、海斗さんは恥ずかしげもなく近づいて私を抱き上げる。

「キャッ」

「お手洗いまで連れて行くよ」

 有無を言わさずに連れられ、渋々トイレに入る。昨晩以前とは体に違いを感じ、声を漏らしそうになって、声を噛み殺した。
< 41 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop