独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
目が覚めると服を着ていて、夢でも見たのかなと一瞬混乱する。でも、体を起き上がらせたときに下腹部に気怠さを感じ、顔が熱くなる。
やっぱり昨日……。
海斗さんの姿はない。
それはそうか。一夜の過ちの相手に……。
「起きた? 体はつらくない?」
思わぬ声を聞き、肩を揺らす。するとククッと喉の奥で笑われる。
「そんなに驚くなよ。昨日は成り行きで、人生の汚点とでも思ってる?」
「そんなわけ!」
体を浮かせると異変を感じ、身を固くする。ドロリとなにか生理のような、それでいて昨晩の艶かしさを思い起こす体を疼かせる、なにか。
「お手洗い、行ってきたら。体は綺麗にしたけれど、中までは無理だから」
サラリと言われ、状況を把握できない。それに体を動かしたくとも、体は思うように動かない。
「ごめん。無理させたな。由莉奈ちゃんの中が良過ぎて、途中からいたわる余裕がなかった」
朝の爽やかな日差しの中で話す内容ではない。それなのに、海斗さんは恥ずかしげもなく近づいて私を抱き上げる。
「キャッ」
「お手洗いまで連れて行くよ」
有無を言わさずに連れられ、渋々トイレに入る。昨晩以前とは体に違いを感じ、声を漏らしそうになって、声を噛み殺した。