ねえ、私を見て
「こんにちは。」

笑顔も完璧だった。

「こんにちは……」

「突然お邪魔してすみません。奥様にお話があって、参りました。」

私に話?

でもここで会話をしても、他の家に丸聞こえだ。

「どうぞ。中へお入り下さい。」

「失礼します。」

よく見ると、足も長い。

今時の女の子って感じだ。

「こちらへどうぞ。」

私は客間に、堀川さんを通した。

「今、お茶を淹れますね。」

「恐れ入ります。」

返事も丁寧。

非の打ち所がないって言うのは、こういう子の事を言うのか。

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

そのお茶の飲み方も、上品だった。

もしかして彼女、どこかのお嬢様なのでは。

「ところで、お話って言うのは、何でしょうか。」
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