ねえ、私を見て
「もう少し寝よう。」

私はもう一度、寝室に戻って、ベッドの中に横たわった。

夫は私を抱いて、どう思っただろう。

抱かれ方が違うとは、思わなかっただろうか。

考えても考えても、答えは出ない。

その内私は、スーッと眠りの世界に入ってしまった。


目を覚ましたのは、来客用のインターファンが鳴った時だ。

「はーい。」

起き上がって、時計を見ると15時。

ああ、そんなに私寝ていたんだ。

「どちら様ですか?」

『堀川と申します。』

「堀川さん?どちらの堀川さんでしょうか。」

『いつもご主人にお世話になっている堀川です。』

そして私はハッとした。

インターファンに映っている人は、夫の車に乗っていた、あの女の子だ。

「今、開けます。」

玄関のドアを開けると、そこには可愛らしいアイドルのような子が立っていた。
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