ねえ、私を見て
指がスマホを向かう。

「ダメ。」

何度も何度も我慢をした。

夫は用事があると言って、朝から家を出て行ってしまった。

たぶん、あの女の子と別れたといいつつ、まだ会っているのだろう。

私は、夫にも裏切られ、日奈人君からも捨てられた。

残った私は、ただ一人寂しさを堪えるカスのようだ。


このままずっと、生きていくんだろうか。

寂しさを堪えながら、愛もない夫の側で?

別れたくても、別れられない。

冷静に考えてみたら、今の私に、一人で生きて行く力などないのだ。


「生きていても、仕方ない……」

私はフラッと、立ち上がった。

どこに行けば、死ねるのだろう。

リビングを一回りしたけれど、何も見つからない。
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