ねえ、私を見て
夫は、私を胸の中に抱いて、何度も「やり直そう。」と言ってくれた。

まだ夫には許して貰えていない。

そう思うけれど、一人じゃないと思えるだけ、まだマシだった。

そしてあれ以来、日奈人君との連絡も経った。

私は、何も考えずに、仕事に打ち込んだ。


「くらら。相馬君だけど……」

「えっ?」

ドキッとした。

まだ日奈人君の名前を聞く度に、胸がドキドキする。

「卒論があるから、とりあえず2週間くらい、休み取るって。」

「そう。」

こんな時に、日奈人君の顔を見ないのは、返ってよかったのかもしれない。

「ねえ、あなた達、上手くいってるの?」

「……あなた達って?」

「くららと相馬君よ。」
< 131 / 147 >

この作品をシェア

pagetop